(一途な恋 シリーズ)

きっかけ(第2章)

 

それは高校2年生のクリスマスイブ。冬休みの初日。

仲の良い友達数人が私の家に集合した。

あの先生がむかつくとか、あの二人が付き合っているだの別れただの。

どうでもいい話で盛り上がっていた。

 

しばらくして菜々子は遅れてやってきた。

「ごめん~、遅くなって~

たぶん、彼氏に会っていたのだろう。きっと数時間前は彼氏の腕の中にいたのだろう。

 

気にしない、気にしないと思えば思うほど、イライラする。

 

お菓子やケーキはもちろん、ちょっとアルコールも入ってみんなハイテンション。

親がいないことをいいことに、好き放題な状態。

 

「ねーねー、みんなキスしたことある」唐突に由美がみんなに質問した。

「ないよ!」、「ないない」みんな否定するが、菜々子だけ「ある」と返事。

 

「どんな感じ?」みんな興味深々

「どうって、普通だよ」

「普通って何?わかんないよ」

「え~っと、こんなかんじで」といいながら菜々子は横に座っていた私に顔を

近づけてきた。

(え!まじ!ちょうー近いじゃん! あと数cmで触れちゃうよ)

「もうやめてよ~!」

あまりのドキドキに心臓が飛び出そうで、自分から顔を離す。

「本当にキスするのかと思ったよ」由美が笑った。

「ほんとだよ、びっくりさせないでよ」私はかなり動揺していた。

 

……今……下唇が触れた???

 

必死に平静さを取り繕おうとしていたが、これが菜々子との

ファーストキス?…考えるだけで顔が真っ赤になる。

一度赤くなった顔はなかなかもとに戻らず、アルコールのせいにした。

 

日も落ち、そろそろお開きの時間。

みんなを駅まで送る帰り道、気になっていたことを菜々子に聞いてみた

「ね、さっきさぁ、唇ふれたよね」

「うん」

あっけらかんと言う菜々子。

 

……頭の中で私のスイッチが押された音がした。

 


私が通っている高校は冬休みに勉強合宿が組まれる。

朝から夜まで、勉強漬けの日々だ。


「おはよう!」。

合宿所には、昨日騒いでいた友達がみんな集まっていた。

合宿所の玄関に部屋割り表が貼り出されている。

1部屋12名。2段ベッドが6個並んでいる広い部屋。

クラスが違う菜々子とは、もちろん違う部屋だった。

スケジュールは6時起床、21時まで勉強というハードなもので

毎日ヘトヘトだったが、ふとすると、昨日のキスのことばかり考えていて

全く勉強どころではなかった。

 

合宿最後の夜。
私の部屋がなぜかたまり場になっていた。
他の部屋の子が次々乱入してきて
誰が誰と付き合っているとか、誰が好きとか、先生の暴露ネタとか
下世話な話で盛り上がっていた。
もちろん、その中に菜々子もいた。

先生の「消灯10分前だぞ!さっさと寝ろよ!」の声が廊下に響き渡る。
もうすぐ23時。
「おやすみ〜」1人、2人と、みんな自分の部屋に戻っていった。

23
時。電気が消えた。
それでも数人(菜々子もいる)が残ったまま、まだまだ話に夢中。
寝ている友達を起こさないようにと、小声で話しを続けたが連日の疲れで

みんな24時には解散した。

菜々子が「眠い〜」と自分の部屋に戻らず、私のベッドに上っていく。
「ちょっと菜々子!邪魔!私が寝れないじゃん!」

といいながら、私も自分のベッドに入る。

平常心をよそっているが私の心臓はバクバクだった。
一番抱きしめたい人が、すぐそこで寝ている。

私のベッドは角の2段目。
狭いベッドで2人。密着度はさらに心臓の音を速める。

「どいてよ〜」菜々子をくすぐってみる。
「やだ〜、眠いもん」
「どいてって、言ってるでしょ!」ふざけて腕をまわし、首を絞めてみる。

ダメだ、もう止められない。
今私の腕の中に、菜々子がいる。

自分の気持ちを口にしないと、死ぬまで後悔するんじゃないかと思った瞬間。

「…キスしていい?」菜々子に聞いた。

「…いいよ」

(自分から質問しておいて、菜々子の答えに戸惑った。

菜々子には彼氏いるんでしょ。菜々子は女で私も女だよ。

キスの意味知っている??)


とりあえず承諾を得たので、私はゆっくりと唇を合わせた。
(愛してる)

胸が締めつけられる。苦しい。息ができない。
そっと唇を離した瞬間、理性がとんだ。


さっきの優しいキスとは違って、菜々子の唇をむしゃぶりつくように

私の気持ちが伝わるように強く、強く舌を絡めた。

ずっと触れたかった、その唇、その髪、その体。
キスをしながら菜々子のパジャマの中に手を伸ばす。

乳房をゆっくり愛撫する。ピンと立った乳首に触れた時
菜々子の口から洩れた吐息。

残っていたわずかな理性も飛んだ。

唇から首、鎖骨、そして胸。
菜々子のパジャマを巻くしあげ唇で愛撫する。

私の菜々子。


ここまで来たら止めることなんてできない。
明日絶交されてもいい、今、今すぐ菜々子がほしい。


パジャマのズボンに手をかけた。
ショーツの上から、菜々子のを触るとしっとり濡れていた。

(感じてるの?)

私はうれしくて、菜々子のすべての性感帯をさがすように

全身、愛撫し続けた。

菜々子のショーツを脱がすと、中はもうぐしょりだった。
小さな突起物に触れる。菜々子の体がびくんと小さく波うった。

(かわいい、もっと、もっと感じて)

「いい?」(もちろんダメと言われても聞き入れることはできないが)
菜々子がうなずくと同時に、中指を入れた。
…温かい。これが菜々子の中なんだ。


指を動かすと、くちゅ。恥ずかしい音がした。

ここは合宿所。
同じ部屋には、何人もの同級生が寝ている。
バレるかもしれない。
バレれば後ろ指をさされることはまちがえない。
学校に通えなくなるかもしれない。

理性がなくなった私には、そんなリスクどうでもよかった。

返って興奮していたかもしれない。

2
本目の指を入れる。声を出さないよう、必死に下唇をかむ菜々子が

いとおしくてまたキスをする。
濡れていく菜々子がたまらなく、秘部にもキス。

これが菜々子の…と思うともっと感じてほしくて、舌を使って

敏感な部分を攻め続ける。


再び指を入れ上下、左右に動かす。
菜々子は身をよじる。
締めつけられる指。
…私の手でイカせたい。

 

激しく指を動かす。

小さい声で「もう、だめ」というと、びくんと体が大きく波打った。



ゆっくり指を抜くと、少し血がついていた。
「ごめん、痛かった?」
「大丈夫だよ」
手加減することなんてできなかった。
「ほんと、ごめんね」


 
落ち込んでいる私に
「紗希は?」と言って、私のショーツに手をのばしてきた。

「え?、ちょ、ちょっと」不意をつかれた。
「ぐちょぐちょじゃん」

想定外の展開に、どうしていいのかわからなかった。
菜々子が私にキスをしている。
菜々子が私に愛撫をしている。
菜々子が私に指を入れている。

絶頂に達するのに時間はいらなかった。
菜々子が自らの意思で、私に触れている。
それだけで天に昇ってしまいそうだ。

……

 

明日、死んでも悔いはない。
今この瞬間、世界で一番幸せなのは私。
明日のことは、明日考えよう。
今はただ、この幸せの温もりを1人占めするだけ。
そう思って菜々子を抱きしめて眠りについた。

 

 

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