(一途な恋 シリーズ)

おもむくままに(第4章)

 

私の頭の中は、菜々子でいっぱいだ。

今なにしているだろうか?

明日、何話そうか?

今度いつキスしようか?

今度いつセックスしようか?

 

学生の本分はどこへやらいつもいつも菜々子のことばかり考えていた。

苦しい…菜々子のことを考えると胸が締め付けられる。

 

1月のある週末。

「一緒に映画みない?」私は菜々子を自宅に誘った。

2人でこたつに入って映画をみた。

そっと彼女に近づく。

私は何を望んでいるのか、期待しているのか。

伸ばす手が震える。

 

菜々子の手をそっと握った。菜々子も握りかえしてきた。

 

このあとどうしよう?

嫌がられないかな?

 

もう映画どころではない。

好きな人がこんな近くにいて手を握っている。

それも2きり。

 

1分でも、1秒でも。

 

肩を抱き、好きの気持ちを込めて、軽くキスをする。

唇が離れた瞬間

「…ん」

少しだけ漏れた菜々子の声にたまらず、もう一度キスをする。

今度は舌を入れ、激しく、強く、菜々子の唇を奪う。

そして首筋から鎖骨へ

菜々子の匂いだ…あの晩、あの合宿で感じた匂いだ。

「…菜々子…菜々子」

1枚、1枚服を脱がせていく

 

初めて愛し合った日は、真っ暗な部屋だったから、明るい部屋で

菜々子の裸をちゃんと見るのは初めてだった。

 

なんてきれいなんだろう。

菜々子は小柄で痩せている。白い肌、長く伸びた手足。

あまりにも華奢で思わず守りたくなる。

 

大きくないが、形の整った胸。

薄櫻色の突起に唇を這わす。

「…いや…」

かわいい、なんてかわいいだろう

もっとかわいい声が聞きたくて、さらに突起を攻めつづける。

少しずつ紅潮していく菜々子の顔がたまらない。                  

 

1枚だけ身にまとっていたショーツを下ろした。

菜々子のあそこはもうグチョグチョだ。

私の愛撫にこんなに感じているの…うれしい

「もっとかわいい声聞かせて」

そう言って片足をもちあげ、秘部にキス。

舌でクリトリスを攻めると

「…あぁ…、いや…」

ダメだ、かわいすぎで私がもうダメ。

菜々子を愛撫するだけで、菜々子と同じくらい私も濡れているのがわかる。

 

もっと気持ちよくなってほしくて、中指を入れた。

続けて薬指を入れる。

「…ん…気持ちいぃ…」

ゆっくり2本の指を動かす。入口から一番奥まで。

 

同じ女だから、ある程度どこが感じるかわかるけど

「どこが気持ちいい? ここ?それともここ?」

「あ…、そこ、そこが…」

 

私が菜々子を攻めているのに、その菜々子の声を聞くだけでなんだか攻められている気分になる。

 

人差し指も入れた。

3本入れると、そこはすごくきつい。

指を奥までいれ、手のひらにクリトリスを押しあてて回すと

「あ、だめ、そこは…いっちゃう」と菜々子が身をよじった

「いいよ、いって。なんどでもいかせてあげるから」

「ああ…………っ」

 

「菜々子。愛してる。」

 

 

あっという間に日が暮れていた。
「駅までおくるね」
私は、菜々子を自転車の後ろに乗せ駅に向かった。

菜々子の手が私の腰をつかむ。

菜々子の頬が背中にあたっている。
冬の風は、火照った体に丁度よかった。

見上げると、空にはきれいな三日月

もうすぐ駅
このままどこかに行きたい
このままこの温もりを感じていたい

別れ際、菜々子が小さな声で「好きだよ」と言った。

 

初めて聞いたその言葉。信じていいの?


「バイバイ、また明日~」と菜々子は電車に乗った。

自分の部屋に戻ると、まだ菜々子の匂いがした。
(菜々子、菜々子、菜々子…)
自然と私の手は、自分の一番感じる部分を触っていた。

菜々子の温もりが残っているベッドで、私は目を閉じる。
快楽を求めている手は止まらない。

菜々子の淫らな声、淫らな音。

思い出すだけで、じっとり濡れてくる。
菜々子が感じた場所を同じように、自分で攻める。
そこからはもう…快楽へ趣くまま激しく指を動かすだけ。

 

こんな関係がもう2カ月経とうとしていた。


菜々子の「好きだよ」という言葉を真にうけた私の行動は
だんだんエスカレートしていくばかり。

学校の更衣室、体育館の裏、理科室。
二人きりの時は、どこでもかまわず、抱きよせキスをした。
どうせ、こんな関係はすぐに終わると思っていたから、菜々子が
受け入れてくれている間は、少し強引に誘った。

ある日の学校帰り。なぜか電車はガラガラだった。

私達はペアシートに並んで座った。
体を寄り添わせ、そっとキス。
「もう、だめだよ」
「いいじゃ、誰もいないし」
「だめだって」
菜々子のスカートの中に手を伸ばす。
「もう!」
パンティの上からわかるくらいそこは濡れていた。
「ここは気持ちいいっていってるよ
というのと同時に、一番感じるところに指を入れた。

「…ひぁ」
私は菜々子の艶っぽい声が大好きだ。


菜々子は、私の指の動きを止めようと、学生カバンを上から押しつける
「そんなことしても無駄だよ」
指を激しく動かす。

目を閉じて、声がもれないよう我慢する菜々子が愛らしかった。
愛らしすぎて、いじめたくなる。

カバンを抑える力が弱まり、膝も緩む
少しずつ、イスからずり落ちてくる菜々子。
私はさらに指を激しく動かす。

「…あ……もう…」
菜々子が絶頂をむかえようとした瞬間、私は指の動きを止めた。
菜々子の少し戸惑った様子に笑うと、
「意地悪!」
菜々子の頬が少し赤らんだ


「ねーねー、ここ電車だよ。何してんの~
菜々子が少し拗ねて

「…セックスだよ」

 

「いきたい?」
「…うん」

…かわいいすぎる
周りに人がいないことを確かめ、菜々子の中を
かき回すように攻めた。

「あ…いっちゃうぅ」

電車の中、制服姿のままで感じている菜々子。
いうまでもなく、私も感じている。

「次は紗希の番だよ」

「残念、もうすぐ駅についちゃうよ」
「じゃあ、今度ね。おぼえててよね!」

(
うん、おぼえておくよ。忘れるわけないじゃん。こんなかわいい菜々子を。
だれにも渡したくない。でも菜々子には彼氏がいる。
彼氏は、菜々子のこんな声や、あんな表情を知っているのだろか?

たぶん知っているはず……私だけの菜々子なのに。


私だけの、私の菜々子。
私だけ見ていてほしい。
私だけ感じてほしい。
私だけ触れてほしい。
私だけ愛して。

 

 

もうすぐ進級を迎えるある3月の放課後。

私はクラスメートから、「ちょっと、ちょっと」と呼び止められた。

「ねー、菜々子ってさ、誠くんと別れたの?」

「え?知らないけど?」

「さっき、男子達が言ってたんだけど、別れたらしいよ」

「へー」

 「でも紗希が知らないだったら、噂なのかな?」

「さあ、菜々子とはあまりそうゆう話しないから

 

動揺していた。

ずっと前から彼氏のことは気になっていた。

でも菜々子との関係がすぐに終わると思っていたし、これは

菜々子の問題だからと、あえて口には出さなかった。

でも別れたってどうゆうこと?

悶々とした日が続いた。

 

 

菜々子の誕生日は331日。春休み。

誕生日は彼氏と過ごすとばかり思っていたら、前日の30日に会う

約束をしていた。

 

330日。

いつものように、菜々子が遊びにきた。

座ってマンガを読んでいる菜々子を背後から抱き締めた。

 

私は、今日意を決して彼氏のことを訊こうと決めていた。

でも菜々子の目を見て話すのが怖くて、抱きしめたまま聞いてみた。

 

「ね、誠くんと別れたの?」

「そうだよ」

「なんで?」

「なんでって、紗希が好きだから」

 

なんだろう、この幸せな気持ち。

 

菜々子は前から好きと言ってくれていたが、なんだか同情のような気がしていて

どこか信じられなかった。

なぜかいつも冷静な菜々子。

いつも誘うのは私。

誘いに応じてくれるのは、私を傷つけないため?同情しているの?

私にはその理由はなんでもよかった。迷いながらも手を伸ばす私を

受け入れてくれるだけで十分だった。

 

…愛している。菜々子。

私だけの菜々子……

 

その日のセックスはありったけの愛情をそそいだ。

 

 

 

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